師走も残すところ、あと一週間あまり。金沢高専の学生は、年末最大の関門である中間試験を終え、12月24日(土)から冬休みに入ります。
新年へ、カウントダウンしながら、1年を振り返る時期を迎えました。先ごろ、京都市の清水寺で今年を象徴する漢字は「絆」と発表されています。
一方、金沢高専2階ホールに毎月掲示される「今月の言葉」で、今年を締めくくったのは、「黙如雷」(山田弘文校長書)でした。
「もくすること、かみなりのごとし」と読み、黙っていても、一度話し始めるとすばらしいことを話すこと、実力をみせびらかさないこと。出典=仏典(維摩経・ゆいまきょう)と説明されています。
うーん、奥が深い。折しも金沢は、ブリ起こしの雷がとどろく時期。耳をつんざく雷鳴と深々と音もなく雪が降り積もることが繰り返される季節です。
さらに、維摩経をネット上のフリー百科事典「ウィキペディア」でたどれば「互いに相反する二つのものが、実は別々に存在するものではないことを説く」とありました。例えば「生と死」は、二つに別れたものではなく、一つのものだとか。
というわけで、生死を深く考えさせられた東日本大震災に翻弄され、「絆」の大切さを痛感した1年が暮れようとしています。ひょっとしたら、雷鳴と森閑の間で、天は人間に何かを語っているのでしょうか。
来年こそ、皆さまにすばらしい年が訪れますように。(特に金沢高専受験生の皆さんに…)