「グローバル人材育成委員会」による報告書と金沢高専の共通点

文部科学省と経済産業省が共同で事務局を置く「産学人材育成パートナーシップ グローバル人材育成委員会」が、4月に「産学官でグローバル人材の育成を」と題した報告書を公表しました。

同報告書は、グローバル化する世界において、成長著しいアジアの新興国に進出し、その内需を取り込むことで日本企業は生き残っていくことができるとし、そのためには、産業界と教育界とが連携して「グローバル人材」を育成することが急務であると述べています。

しかし、同報告書が引用した、企業が必要とする語学力を国際比較したスイスの研究機関の調査で、日本人は57カ国・地域中55位
残念ながら、日本人の語学力や国際経験に対する評価は非常に低いと言わざるを得ません。

同報告書は、「グローバル人材」に求められるものとして、まず社会人としての基礎能力、次に外国語、特に英語でのコミュニケーション能力、そして多様な文化や歴史を背景とする価値観、考え方を理解して行動する力を挙げています。
外国語でのコミュニケーション能力を高めるには、「専門科目を外国語で学ぶことを前提とした外国語教育プログラムが有効」と説き、異文化理解については「体験を通じて学ばせるプログラムが有効」としています。
『5年一貫の工学・英語協同学習(CLE2)』アメリカ英語研修ニュージーランド留学シンガポール修学旅行などさまざまな国際交流体験を実施している金沢高専で、まさに実践していることばかりではありませんか。

また、外国人教員の積極採用・比率拡大についても触れ、「国際化の拠点となる大学」の外国人教員比率の目標値を10%以上としています。
学校の規模が違うので単純比較はできませんが、金沢高専の外国人教員比率は約24%で、目標値を軽く超えています。

このほかにも、同報告書が提言する内容は、金沢高専が実践する教育プログラムと合致する部分が多く、金沢高専の教育内容が日本のグローバル化に大きく貢献するものであることを裏付けています。
金沢高専では、ますます自信を持って、これからも日本の産業界を担うエンジニアの育成にまい進して参ります。

2011年5月

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