2009年4月アーカイブ

4月2日(木)から4日(土)にかけ、穴水湾自然学苑で1年生の「人間と自然Ⅰ」を実施しました。

「人間と自然Ⅰ」では、自然豊かな穴水湾自然学苑で、海洋活動、講話、クラスミーティングなどを行い、団体生活を通じて協力し合うことの大切さを学びます。入学直後の新1年生にとって、友人作りの大切なきっかけにもなります。

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出発は入学式の翌日です。1年生は、見知らぬ同士で過ごす2泊3日に、不安を隠せない様子でバスに乗り込んでいきました。

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到着してすぐの昼食の様子です。まだ打ち解けていないのか、静かにおとなしく食べているように見えます。

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入苑式、オリエンテーションを終えると、海洋活動です。
金沢工大学園が所有する船「アルタイル」に乗り込み、能登島までクルージングを楽しみました。
気持ちのよい海風に吹かれて、学生たちの表情も少しほころんできたようです。

夜にはクラスミーティングを行い、一人ひとりが自己紹介をしました。
名前と出身中学、部活、高専でこれから何をしたいかなどについてそれぞれが話しました。

2日目。朝は6時半に起床。ラジオ体操で、すっきり目を覚ましました。

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この日はいよいよカッター漕艇にチャレンジです。雲ひとつない快晴で、風も波もなく、絶好のカッター日和となりました。

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カッターとは10人前後で乗る手漕ぎボートです。全員が声を出し、心と力を合わせなければ前に進みません。
何度か講師とともに練習を重ねた後、最後に学生だけが乗り、チーム対抗のタイムレースを行いました。

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学生たちは、どのようにレースを展開するか作戦会議を開くなど、しっかり信頼を深めた様子でレースに臨んでいました。

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2日目の夕食には、グループや班ごとに連れ立って食堂にやってくる学生も多く、すっかり打ち解けた様子でにぎやかに食事をしていました。
寝食をともにし、カッターという共同作業を成し遂げることで、多くの友人を得ることができたようです。

3日目には山田校長が駆けつけ、「自分と自分の居場所を見つける」というテーマで講話をしました。「自分の居場所」―学生たちは、この3日間でしっかり見つけることができたのではないでしょうか?
帰りのバスに響き渡った学生たちのにぎやかな笑い声が、それを物語っているようでした。

桜の花見のシーズンはすっかり終わってしまいましたが、金沢高専の校門前の通りは、八重桜がいま満開を迎えています。

0422_01.JPG 0422_03.JPG 0422_04.JPG昨日は金沢で最高気温27度を観測し、今年初の夏日ということでした。
しかし打って変わって今日は最高気温17度の予報。
風も強く、上着がないと寒いぐらいです。

そんな中、金沢高専前の八重桜は、風にあおられて花びらがひらひらと舞い、歩道に落ちて、地面をピンク色に染めていました。

八重桜が散り終わるころには、GWとともに、新緑のまぶしいさわやかな季節がやってきます。

 

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芝桜も満開になり、校門をあざやかに彩っています

外国人教員を紹介するシリーズの3回目は、韓国人のクォン・セホアン先生です。

セホアン先生は、韓国・ソウルで生まれ、高校時代をインドネシアで過ごしたそうです。
アメリカ、カナダでの留学や社会人経験もあり、韓国語はもちろん、インドネシア語、英語も自在に操る国際人です。
最近は日本語の勉強をしており、今回のインタビューにも、流暢な日本語で答えてくれました。


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―日本語がとてもお上手ですね。いつから勉強しているんですか?

1年半ほど前から始めました。
妻が日本人なので、毎日が勉強になります。

―日本語は、他の言語と比べて難しいですか?

そうでもありません。
日本語と韓国語は単語や文法で似た部分があって、覚えやすいです。
たとえば、「簡単」や「無料」という単語は、韓国語でも「カンタン」「ムリョウ」と言うんですよ。
ほかにも、「家族」が「カジョク」だったり、そういうのがけっこうあります。

―隣の国だから共通点も多いんですね。
インドネシアはどんなところですか?

インドネシアは、とても暑い国で、私の第2のふるさとです。
今も両親がバリに住んでいるので、時々訪ねます。
私は、何事にもポジティブで、のんびりしたインドネシア人の性格が大好きです。
南国特有のものかもしれませんね。
バリでは海が近くて、よく泳いでいました。
日本に来てからも、海が恋しくて、内灘海岸によく出かけています。

―夏が楽しみですね。
ところで、先生は新婚でいらっしゃいますね。
奥様の手料理はいかがですか?

妻は、韓国と日本がフュージョン(融合)した料理を作ります。
納豆とキムチを混ぜたり、チゲ鍋にうどんを入れたり。
韓国料理とは違いますが、おいしいです。
あとは、トマトとチーズ、ガーリックのスパゲティが好きですね。

―日本の食べ物で好きなものは何ですか?

たこ焼きですね。
初めて日本に来たとき、東京で食べて感動しました。
あとは、ラーメン。
韓国にもラーメンはありますが、日本のラーメンはいろんな種類があっておいしいですね。
この間も、片町で食べました。

―初めて金沢高専に来たときの印象はどうでしたか?

初めは、学生に日本人と思われて、日本語で話しかけられました。
ところが、日本語が通じないとわかると、すぐに英語で話してくれました。
その時は驚きましたね。
金沢高専には、英語で話すことに抵抗がない学生が多いんですね。

―でも、英語が苦手な学生もいますよね。

私が日本語を勉強する一番の理由は、そこなんです。
私も外国語を学んできて、英語を話すのが恥ずかしいと思う学生の気持ちがよくわかります。
だから、日本語を学び、学生の伝えたいことを理解して、学生と同じ目線で会話をしたいと思うんです。
英語が出てこないからといって逃げ出すのではなく、まずはコミュニケーションを取ろうという気持ちが大切ですから。

―学生と真摯に向き合う、セホアン先生の優しい人柄が伝わってきました。
それでは、次の先生を紹介していただけますか?

グリーン・ジェームス先生を紹介します。
彼はニューヨーク出身で、いろんな意味でおもしろい人です。


―ありがとうございました。
次回は、グリーン先生にお話を伺います。

「金沢高専の南出章幸先生が、お年寄りから大人気で、老人福祉施設などから慰問の依頼が絶えない」

そんな噂を聞きつけて、南出先生の研究室にお邪魔しました。

南出先生は電気電子工学科の先生で、SONYが開発したイヌ型ロボット「AIBO」を使った研究をしています。

aibo06.JPGこの「AIBO」が、ねじりはちまきに法被姿で、そろってYOSAKOIソーランを踊り、施設のお年寄りや子どもたちを楽しませているのだそうです。

「高専祭で、金沢高専らしい何かができないかと考えたのがきっかけでした」

と話す南出先生。
元々金沢高専では、AIBOをプログラミングの勉強のために、教材として取り入れていました。
そして2年前、高専祭での催しのため、先生が学生とともに取り組み始めたのが、AIBOにYOSAKOIソーランを踊らせるプログラムの開発でした。

      aibo05.JPGAIBOのおなかの部分を開くと、↑のようにメモリースティックを差し込むことができ、ここにプログラムを書き込んだメモリースティックを入れると、AIBOがプログラム通りに動き出す仕組みになっています。

高専祭での舞台は大成功!
足を上げたり手を振ったり、みごとにYOSAKOIソーランを演じて、拍手喝采を浴びました。

 

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その愛らしい動作が話題となり、昨年は2カ所の老人福祉施設を慰問して演技を披露しました。
クリスマスイブに行った慰問では、サンタとトナカイに扮したAIBOがそりに乗って登場し、お年寄りたちにたいへん喜ばれたそうです。

慰問には、高齢者向けのデジタルコンテンツを研究する金沢工業大学感動デザイン工学研究所の竹俣一也准教授も協力し、「ロボットは人間を癒すことができるか」という研究テーマにもなっています。

学生にとっては、プログラミングの勉強だけでなく、自分たちの技術で誰かが喜んでくれるということを実感する、貴重な機会となったのではないでしょうか。

 

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aibo02.JPGパソコンでAIBOのプログラムを作る学生

 

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