2010年5月アーカイブ

 前回に引き続き、金沢工業大学教職員向け会報誌「旦月会」に掲載された外崎明進路部長が書かれた記事で「平成22年 進路活動方針」の第4回で「平成22年度の就職戦線と環境」です。

 4.平成22年度の就職戦線と環境

 平成22年、当初売り手市場であったが9月15日リーマンショックを境に、一転氷河期に突入することになった。

 求人倍率は1.62倍と低いわけではなかったが、学生の希望と企業側の求人が合わないという、2000年当時の就職氷河期とは異なる様相である。昨年12月厚生労働省によると内定率は前年度比7.4ポイント減の73.1%と発表された。

 本22年度は、採用人数昨年度並みは43.6%、減らす予定は21.6%、増やす9.5%、採用中止7.4%と非常に厳しく「超就職氷河期」もしくは「新就職氷河期」と呼ばれ、大変な就職戦線が予想されている。本年度も企業の厳選採用の姿勢が強まると思われ、内定を複数取れる学生と全く取れない学生の二極化がより顕著になりそうである。このような状況下においては、企業選択の視野を広げる学生指導が有効と考える。大手企業や地元にこだわらない早期の切り替えと、働く選択肢を増やす学生自身の意識改革が必要である。更に、最も身近で学生指導を行っている工学設計Ⅲ担当教員の進路指導に対する意識改革が重要である。

 また、経済情勢や雇用環境の問題だけではなく、学生の価値観が多様化してきたことに目を向けなければならない。従来型のオプショナルなキャリア教育関連科目で今後数年続くと思われる混迷時代を学生たちは乗り切れるだろうか。このような時代に必要なのは学生自身の実力であり、実力は時間をかけて作り出すことである。これは本学及び各学部・学科における教育目標に基づく人材育成教育にあることは言うまでもない。学生たちが最も時間と労力を費やし教員との接触時間が多い授業を通じて人間力や社会人基礎力の向上の中核を担うことに尽きると考える。本年度も全学協力体制で進路指導をお願いしたい。

 前回に引き続き、金沢工業大学教職員向け会報誌「旦月会」に掲載された外崎明進路部長が書かれた記事で「平成22年 進路活動方針」の第3回で「平成21年度の進路内定状況」です。

 3.平成21年度の進路内定状況

 平成22年3月31日現在、学部95.4%(20年度99.5%)・大学院100%(20年度100%)で、学部・大学院共に高い内定率を達成出来た。既に2.で述べたように平成21年度は就職氷河期再来と言われた就職戦線にも係わらず、全国平均を大きく上回る高い内定率に到達出来たことは、進路主事、進路アドバイザー、進路開発室スタッフによる進路指導、穴水湾自然学苑各位、穴水グループ討議支援委員各位、自己開発センター各位、数理工教育研究センター各位、工学設計Ⅲの指導教員他多くの本学関係者の並々ならぬご尽力の賜物であり、この場をお借りして心より厚く御礼を申し上げたい。

 前回に引き続き、金沢工業大学教職員向け会報誌「旦月会」に掲載された外崎明進路部長が書かれた記事で「平成22年 進路活動方針」の第2回で「平成21年度の就職戦線」です。

 

2.平成21年度の就職戦線

 平成21年度は、1年前の状況と大きく変わった。景気はますます不透明さを増し、業績悪化が進む企業が大勢をしめた。そのため、採用計画が例年より遅れた企業が多く、とりあえず就活サイトへは掲載するがそれ以外は先延ばしする企業が出てきた。新卒採用数は前年比26.7%と大幅に減少、採用凍結企業も5%に上がった。

 この様な状況から例年より前倒しで、各学科進路主事を中心に早くから就職活動の準備を学生へ通達・指導が行われた。一方、学生サイドは前年の売り手市場での就職活動を見聞きしているためか景気悪化の情報は知っているものの、それが学生自身の就職活動に結びついている感覚になっていないことが懸念された。4月リクルートワークス研究所から新卒求人倍率1.62倍と発表された。

 2000年時の就職氷河期0.99倍に比べるとはるかによく2006年と同じ水準であった。えり好みをしなければ、就職先は十分にあり、就職氷河期とは必ずしもいえないとの見方もあった。しかし、昨年同様に、より安定した企業を目指す学生には厳しく、1,000人以上の求人倍率は0.55倍であった。また、5月連休明けには「30社受けて内定が1社もとれない」等のフレーズで多くの報道がなされ、就職氷河期再来と、より深刻さが増してきた。事実、5月以降に選考面接の開始を想定している企業数は極端に減少した。

 以上の状況により、各学科での就職活動状況把握はもとより以下の緊急対応を実施した。

1)5月中旬:緊急就職活動状況調査を行い、現状の把握、対策実施の基点とした

2)5月下旬:未内定・未活動学生の激励会開催及び出席学生の個別面談

3)6月下旬:アンケートによる採用継続企業調査と、その確認結果の各学科への情報発信

4)7月下旬:夏休み・秋の陣に備え学科別激励会(8学科)の開催

5)9月中旬:人材開発セミナーにて、採用継続企業との情報交換

6)10月中旬:各学科別未内定、未活動学生の把握と確認など

 本年度も推薦依頼企業数が減少し、自由応募の比率が増加したことに加えて、内定までの受験企業数や1社当たりの内定までの試験回数が増加した結果、企業側は、多数の自由応募学生の入社試験データから「大学別の人材特性の有意差」や「最低保障レベルの差」を把握し、それらのデータを基に求人を依頼する大学の選別(新指定校制)を行う兆候がより顕在化した。したがって、企業の採用基準において、「質の重視」の傾向が強まった。特に「企業との相性と強い志望意欲」はもとより、自ら一歩踏み出す行動力とわかりやすく相手に伝えるコミュニケーション能力をもった学生が求められ、「確かな実力と人間力」が求められる傾向が例年以上に進んだ。

 本日は、金沢工業大学教職員向けに発行されている会報誌「旦月会」に掲載された外崎明進路部長が書かれた記事で「平成22年 進路活動方針」を全9回にわたって転載いたします。今回は第1回で本学の「就職活動の基本理念」です。

 

1.就職活動の基本理念

 本学における学生への就職斡旋は、職業安定法に基づいて作成された本学の「就職斡旋規定」(平成13年7月1日改定)に則り、今まで培われてきた本学独自の行動規範ともいうべき基本理念のもとに運営され、成果を挙げてきた。

就職活動の基本理念は、

① 学生の進路教育・指導及び就職斡旋は、本学の重要な施策の一つであり、就職実績の向上は本学の発展に不可欠の源泉である。

② 就職活動(就職教育、就職指導、就職斡旋、企業開拓など学生の就職活動を支援するあらゆる施策)は、本学教職員の重要な職務の一つであり、教育活動の一環である。

③ 就職斡旋活動は、学系内の協力を基盤として、それぞれの学系または、学科対応の進路主事(総括)ならびに各進路アドバイザーからなる進路指導体制の活性化を図ることにより、進めることが肝要である。

④ 就職内容の向上は、時宜を得た進路教育の実践と充実により、学生の適性と能力の啓発・向上を図ると共に、適切な進路指導体制(思いやりと厳しさ)を持って、“より良い企業へより多く”の趣旨を実現することにある。

 この基本理念は、平成8年度の就職戦略委員会でも改めて承認され、②の骨子は、平成20年度の「教員の職務」にも導入されている。

 本日は、金沢工業大学教職員向けに発行されている会報誌「旦月会」に掲載された機械系土居隆宏講師が書かれた記事を転載いたします。

 工学部機械系ロボティクス学科土居研究室3年生(当時)の大村譲二君、召田和重君、武市章宏君、村松紘平君、山蔭僚君たちが製作したロボット「バンブルドイ、ドイガンダー」が、3月27日(土)に東京都千代田区の科学技術館で開かれたロボットグランプリ大道芸ロボット競技会のコンピュータ制御部門で準優勝を獲得した。

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 大道芸ロボット競技は、ロボットを使って、いかに観客にアピールするかが大事で、ロボット自体を完成させて確実に動かす技術とエンターテインメントのセンスが必要とされる競技である。今回は全国の大学、一般、小学生など、いろいろな製作者による18台のロボットが集まり、金沢工大からは2チーム出場した。

 ロボットは本学の3年生が受ける授業「コアゼミ」の一環として実質4カ月程度で製作されたもので、本学夢考房を利用し、学生が設計、製作、プログラミングまでを自主的に行った独自のものである。

 会場では他大学のコンテスト用ロボットや研究開発中のロボットなどを見る機会もあり、学生たちは良い刺激を受け、有意義な時間を過ごすことが出来た。

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