平成22年 進路活動方針(2/9)

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 前回に引き続き、金沢工業大学教職員向け会報誌「旦月会」に掲載された外崎明進路部長が書かれた記事で「平成22年 進路活動方針」の第2回で「平成21年度の就職戦線」です。

 

2.平成21年度の就職戦線

 平成21年度は、1年前の状況と大きく変わった。景気はますます不透明さを増し、業績悪化が進む企業が大勢をしめた。そのため、採用計画が例年より遅れた企業が多く、とりあえず就活サイトへは掲載するがそれ以外は先延ばしする企業が出てきた。新卒採用数は前年比26.7%と大幅に減少、採用凍結企業も5%に上がった。

 この様な状況から例年より前倒しで、各学科進路主事を中心に早くから就職活動の準備を学生へ通達・指導が行われた。一方、学生サイドは前年の売り手市場での就職活動を見聞きしているためか景気悪化の情報は知っているものの、それが学生自身の就職活動に結びついている感覚になっていないことが懸念された。4月リクルートワークス研究所から新卒求人倍率1.62倍と発表された。

 2000年時の就職氷河期0.99倍に比べるとはるかによく2006年と同じ水準であった。えり好みをしなければ、就職先は十分にあり、就職氷河期とは必ずしもいえないとの見方もあった。しかし、昨年同様に、より安定した企業を目指す学生には厳しく、1,000人以上の求人倍率は0.55倍であった。また、5月連休明けには「30社受けて内定が1社もとれない」等のフレーズで多くの報道がなされ、就職氷河期再来と、より深刻さが増してきた。事実、5月以降に選考面接の開始を想定している企業数は極端に減少した。

 以上の状況により、各学科での就職活動状況把握はもとより以下の緊急対応を実施した。

1)5月中旬:緊急就職活動状況調査を行い、現状の把握、対策実施の基点とした

2)5月下旬:未内定・未活動学生の激励会開催及び出席学生の個別面談

3)6月下旬:アンケートによる採用継続企業調査と、その確認結果の各学科への情報発信

4)7月下旬:夏休み・秋の陣に備え学科別激励会(8学科)の開催

5)9月中旬:人材開発セミナーにて、採用継続企業との情報交換

6)10月中旬:各学科別未内定、未活動学生の把握と確認など

 本年度も推薦依頼企業数が減少し、自由応募の比率が増加したことに加えて、内定までの受験企業数や1社当たりの内定までの試験回数が増加した結果、企業側は、多数の自由応募学生の入社試験データから「大学別の人材特性の有意差」や「最低保障レベルの差」を把握し、それらのデータを基に求人を依頼する大学の選別(新指定校制)を行う兆候がより顕在化した。したがって、企業の採用基準において、「質の重視」の傾向が強まった。特に「企業との相性と強い志望意欲」はもとより、自ら一歩踏み出す行動力とわかりやすく相手に伝えるコミュニケーション能力をもった学生が求められ、「確かな実力と人間力」が求められる傾向が例年以上に進んだ。

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このページは、kit-generalが2010年5月29日 13:50に書いたブログ記事です。

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