第3回「CLE2シンポジウム」を開催しました
8月23日(火) 、「グローバルに活躍するエンジニアの育成をめざして」をテーマに掲げ、第3回「CLE2シンポジウム」を東京のKIT虎ノ門キャンパスで開催しました。
シンポジウムは、文部科学省の「大学教育・学生支援推進事業【テーマA】大学教育推進プログラム」に採択された取組である「5年一貫の工学・英語協同学習とFD活動」の一環として実施したものです。
はじめに山田弘文校長が、本取組の新たな展開として、“世界の名立たる高等教育機関が取り組んでいる実践的な技術者育成教育「CDIO」”に加盟したことや、創造力育成のため“デザイナーの視点で問題発見・解決を図る「Design Thinking」”を教育に取り入れる計画であることを紹介しました。
続いて、「工学・英語協同学習の開発と実施」と題して、ロバート・ソンガー助教、向井守教授、ドリーン・ゲイロード教授、元木光雄教授の4名が活動報告を行いました。ロバート助教は、外国人教員による英語での専門授業について、1年次から5年次までの概要を説明。向井教授は、少人数英会話授業や留学プログラムなどを交えて、学生の英語学習意欲の増進と国際的視野の拡大のために本校が実践する教育を熱い思いと共に紹介しました。
ドリーン教授は、「上級英語Ⅰ・Ⅱ」について、4年次には学生が教師役を務め指導案や教材も作成することと、5年次には企業に出向き技術者へインタビューしたり文献を調べたりして、工業製品の英語パンフレットを制作することを報告しました。最後に、元木教授が、本校がシンガポールやニュージーランドで実施している海外での就業体験は“卒業時に外国人技術者と一緒に仕事ができる”という目標を達成するのに最もよい方法であると話し、午前の部を終了しました。
昼食をはさんで午後からは、シンガポールから来日した本校提携校「シンガポールポリテクニク」のヘリーン・レオンウィー・クゥィー・フェイ先生とピー・スアット・フーン先生が、「世界に通用する技術者の育成」をテーマに基調講演を行いました。
ヘリーン先生は、技術者育成教育CDIOの目的や加盟状況を紹介した後、CDIOを教育に組み込むための“What”にあたるシラバスと“How”にあたるスタンダードの概要を説明しました。 続いてピー先生は、「Design Thinking」について、21世紀のものづくりが技術中心ではなくユーザー中心になりつつある点を指摘した上で、観察やプロトタイプの説明を通して、ユーザー本人さえも認識していないニーズを洞察し、概念化する能力を持つことが技術者の成功に繋がると話しました。
最後のパネルディスカッションでは、本校教員がそれぞれの立場で「CLE2」について語りながら、問題点、工夫したこと、効果の把握方法、教員や学生の取組姿勢など、参加者らと忌憚なく意見交換しました。 参加者からは、「金沢高専のチャレンジは、他校の目標となる素晴らしいものである」という声が聞かれたほか、本取組の改善につながる貴重な意見も得るなど、多数の収穫を得て、シンポジウムは幕を閉じました。