NHK大学ロボコン2010(ABUアジア・太平洋ロボコン代表選考会)で優勝

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 本日は、金沢工業大学教職員向けに発行されている会報誌「旦月会」に掲載されたプロジェクト教育センター竹田龍一技師が書かれた記事を転載いたします。

NHK大学ロボコンで優勝しエジプト・カイロ大会に日本代表で出場決定

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 夢考房ロボットプロジェクトは、6月6日(日)、国立オリンピック記念青少年総合センターの大体育室で開催された「NHK大学ロボコン2010 ABUアジア・太平洋ロボコン代表選考会」に出場し優勝した。この大会の結果により9月21日(火)、エジプトのカイロで開催される「ABUアジア・太平洋ロボットコンテスト2010 エジプト・カイロ大会」への出場が決定した。

チーム名は「創天」
 「ABUアジア・太平洋ロボコン」の代表選考会である「NHK大学ロボコン」は、日本代表を選出する大会で、全国47の大学から、59チームが応募し、第一次の書類審査、第二次のビデオ審査を経て、初出場の前橋工科大学、徳島文理大学の2校を含む20校のチームが国立オリンピック記念青少年総合センター大体育室に集結した。
 本学の夢考房ロボットプロジェクトのチーム名は、ピラミッドを上へ上へと築き上げると共に、メンバーも天(優勝)に向かって突き進むという意味を込めて「創天(そうてん)」と命名した。チームはメンバー3名、ピットクルー3名計6名で構成される。
 試合は、予選リーグと決勝トーナメントで行われる。予選リーグは、20チームが3チームからなる7グループに分かれ、書類審査、ビデオ審査の結果、本学のほか、東京大学、長岡技術科学大学、豊橋技術科学大学、三重大学の5校がシード校となり、このシード校は、各グループの2番に振り分けられた。グループ分け及び試合順序はくじ引きにより決定され、試合前日の午後のくじ引きで、本学はCグループの2番となり、3試合目に1回戦として徳島文理大学と、17試合目に2回戦として工学院大学と対戦することになった。
 試合前日に行われたテストランで、本学の自動ロボットのうち第2ピラミッドにブロックを置くロボットが動かないことが判明し、メンバー、ピットクルー総出で原因究明に奔走し、基板に不具合があることが分かり、修復することは出来た。しかし、細かい調整まで行うことが出来ないまま、試合当日を迎えることになった。

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 1回戦は28対0で突破
 予選リーグ1回戦の徳島文理大学戦では、手動ロボットによる第1ピラミッドはゴールデンブロックを置き、22点獲得、第2ピラミッドの第1層で6点、計28対0で勝利した。しかし、2回戦では、第1ピラミッドにゴールデンブロックを置くことが出来ず、苦戦をしたが、第1、第2、第3ピラミッドで16点を獲得し、結局16対3で勝利し決勝トーナメントへ進出した。

決勝トーナメントは圧倒的強さで優勝
 決勝トーナメントには各グループの1位7校と予選リーグ2位で一番成績の良い大学1校がワイルドカードとして選出され、計8校の間で行われた。決勝トーナメントの組み合わせは予選の順位により決まり、予選で獲得した点数により決定した。
 予選1位は94点を獲得した豊橋技術科学大学で、本学は44点獲得で3位であった。(ちなみに東京大学は予選で64点を獲得したにも係わらず、予選リーグ1回戦で東京工業大学に56対28で敗れたため、ワイルドカードでの決勝トーナメント出場となり、準々決勝で1位通過の豊橋技術科学大学と戦うことになった)
 本学は準々決勝で鹿児島大学を28対0で破り、準決勝は東京工業大学に50対11で勝利し、決勝へと進んだ。本学の全ロボットは、試合の合間での調整が功を奏し、決勝を迎える時期には万全の状態に調整されていた。一方、決勝に勝ち上がってきた豊橋技術科学大学は、準々決勝の東京大学戦で、第2、第3ピラミッで頂上に置くゴールデンブロックの熾烈な押しあいが続き、各フェーズ時間切れとなる状況であった。このため、ロボットに微妙なくるいが生じたのか、次の準決勝での名古屋工業大学戦は32対25と接戦であった。
 本学の手動ロボットは、予選リーグの2回戦でロボットの調子が悪く、ゴールデンブロックを置くことが出来なかった以外、全て相手より早くゴールデンブロックを置いてきた実力を遺憾なく発揮し、決勝戦でもゴールデンブロックを置き、22点を獲得した。第2ピラミッドでも、調子を取り戻した本学は、この日、初めて第2ピラミッドにゴールデンブロックを置くことが出来、44点を獲得した。また、第3ピラミッドでも、本学はブロックを難なく積み、ゴールデンブロックを置くところまで進んだが、豊橋技術科学大学のゴールデンブロックに押され、積み上げることが出来ず、制限時間となったが、第1及び第2ピラミッドにゴールデンブロックを置いていることから、70対9の大差で勝利することが出来た。
 各ピラミッドに積むブロックの大きさは、500㎜×500㎜で高さが300㎜。第1及び第2ピラミッドには3段積むが、頂上にゴールデンブロックを置くためのプレートが置かれており、3段積んだ状態での余裕は2㎜とかなりの精度で積み上げ、押し込む必要があり、微妙な誤差が致命傷になったものと思われる。

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 日本代表として悔いなき戦いを
 昨年度の「ABUアジア・太平洋ロボットコンテスト」は日本開催であったことから、代表選考会で2位であった本学も出場することが出来たが、技術的に優れた国もあり、またロボットの設計においての視点が違っていたり、ルールの解釈に違いがあるなど、国際大会ならではの戦いの中、世界大会の結果はベスト8で終わった。
 今回は本学のみが世界大会へ出場。今回も思いもよらない解釈で設計したロボットが出場したり、環境の違いで動かなかったりと数々の問題が想定されるが、これからロボットを発送する8月6日までに代表選考会で得た経験を活かし、本学のロボットを整備し、調整してベストな状態にし、日本代表として悔いのない戦いをしてきたいと考えている。

 <チーム構成>
・メンバー
 チームリーダー:中島 貴志(4ER1)
 手動マシン操縦者:杉山 卓 (3ER2)
 自動マシンスタータ:竹本賢平(2IC2)
・ピットクルー
 ロボット調整(機構):齊藤 史弥(3EM3)
 ロボット調整(制御):橋本 大智(3EM4)
 ロボット調整(制御):小泉 文哉(2ER2)

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このページは、kit-generalが2010年8月 5日 12:03に書いたブログ記事です。

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