リタイヤ続出の中、見事に完走!つくばチャレンジ2007

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大会に参加したロボティクス学科の学生。左から小林君、岩崎君

2008年初めての記事です。夢考房の坂本巧技師から投稿して頂いた記事を掲載します。

自律走行車プロジェクトは2006年に発足し、カメラ、各種センサー、GPSから得られる画像や位置情報を基に障害物等を見分け、それらを避けながら目的地を目指す自律型ロボット自動車の開発を進めてきた。この車両の開発を通して、機械工学、制御工学、センシング技術、電気電子工学やプログラミングなどの各種専門分野の能力を体得することを目的としている。

 本プロジェクトが、1116()17()に茨城県つくば市にて開催された、自律型ロボットの大会である「つくばチャレンジ(正式名称:REAL WORLD ROBOT CHALLENGE)」の第1回目に参加したため、報告する。この大会は、財団法人ニューテクノロジー振興財団が主催するもので、人々が生活している空間の中で、ロボットが確実に自律的に動き回って働くための技術を追求することを目的とし、ロボットが実環境の中で実現するべき動作を「課題」として定義されるものである。本学を含め全国から大学や企業など33チームのエントリーがあった。

 

 今回の課題は、つくば国際会議場横の遊歩道1kmを外からサポートを受けず自律的に走行することであり、ロボットには次のことが求められる

(1) そこに居る人間に危害を加えないこと。

(2) そこに居る人間に恐怖を感じさせたり強い不快の念を与えたりしないこと。

(3) 環境やそこに存在する物などを傷つけたり、大きな改変を与えたりしないこと。

(4) その環境内にいる人間の行動を邪魔しないこと。

 

 このコースとなる歩道は、緩やかなカーブ、木陰、日向、坂道、橋からなり、自然環境が刻々と変化するため参加チームは、ロボットのカメラやセンサーの調整に苦慮した。交通規制などは設けず、歩行者や自転車が通行する普段の環境の中で行なわれた。開催地に近いチームは、数回行なわれた試走会に参加し調整を重ねる中、本チームは前日15日午後からの調整のみで挑むこととなった。本学での試走を十分に行い、想定される問題について対策を立てていたため、短い時間でも調整をすませ、トライアル走行に望むことができた。

 

■ 16()トライアル走行

 本走行のコース1kmのうち、スタートから100m地点までを12分以内で走行できたチームに本走行に出場する権利が与えられる。午前9時から順に出走し、本チームは、254秒で走行し、2位のタイムで本走行への出場権利を得た。本チームを含め11チームがトライアル走行に成功し、午後からは翌日の本走行に向けた調整が続けられた。

 

■ 17()本走行

 本走行はトライアル走行のタイム順の出走となり、本チームは2番目からのスタートとなった。午前9時から1チームずつ3分毎の間隔でスタートする形式で、途中で他チームの追い越す場合などは完全にロボットの自律走行にゆだねられる。他チームが続々とリタイヤする中、カメラの画像処理の調整がうまくいき、GPSや方位センサーが順調に機能したため、無事に1kmを完走することができた。

 完走は全3台で、本チームの他は筑波大学の2チームであった。大会の運営方針として順位などは設けられなかったが完走したチームは、つくば市長賞を受賞した。

 

 本プロジェクトは、一般道を走行できる自律走行車の開発を目指しており、現在の機能に付け加えて信号機、標識、他の車両や歩行者を検出できるよう改良し、今後は模型から実車へとステップアップする予定である。


参加学生

  • 岩崎 健吾         (ロボティクス学科3)
  • 小林              (ロボティクス学科3)
  • 佐渡 裕児         (情報通信工学科2)
  • 大庭              (ロボティクス学科1)

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