平成22年 進路活動方針(5/9)

| コメント(0) | トラックバック(0)

 前回に引き続き、金沢工業大学教職員向け会報誌「旦月会」に掲載された外崎明進路部長が書かれた記事で「平成22年 進路活動方針」の第5回で「平成22年度の進路指導と進路教育」です。

 5.平成22年度の進路指導と進路教育

5.1 早期化への対応

 企業の採用活動開始の早期化動向と昨年の乗車状況を配慮し、就職支援バスの第一便は3月1日夜に出発した。バスの運行は昨年の乗車率を参考とし、3月から6月の運行を予定している。

 昨年度から一部費用の学生負担が新設されたため、申込み及び費用の支払い・学生の予約・変更の受付業務はサービスセンターを窓口とし、進路開発室では引き続き運行計画・立案を行う。

 企業の採用活動開始時期の前倒しに対応出来るよう、学内で行う合同会社説明会の開催を本年度は一週間早やめて2月13日、14日に実施した。

 また、各種の就職支援を手厚く前倒しにしたとしても学生側にそれに呼応した「就職への備え」が出来ていなければ支援の効果は薄くなるため、これらへのてこ入れも並行して進める必要がある。

5.2 進路教育とガイダンス・激励会・面接指導

 企業は少数精鋭主義を採用の基本方針としており、人物重視を貫きつつ、即戦力性のある専門知識を求めている。

 人物重視の中身は、統率力や指導力など「人間力」に集約される特性を見極めることを意味し、過去の行動特性、行動の意図や行動の結果などコンピテンシーのレベルから人材のポテンシャルを見極めようとするもので、マニュアル的な、或いは攻略本などを参考にした面接準備では合格は難しくなりつつある。これらの動向を受けて今後は、以下の項目毎にきめ細かいガイダンスと指導を行いたい。

5.2.1 コンピテンシー重視の面接への対応

 16年度から開講された「進路ガイド基礎」は21年度から「修学基礎Ⅳ」に組み込まれ、新入生に「キャリアデザインの重要性」を理解させ、「各自のキャリア」を自らデザイン・立案し、Webを利用した個人学習記録システムを導入し、継続的に加筆や見直し・修正を行う習慣を会得させる。これらの記録は3年次の「進路セミナー」の授業で行われる「自己アピールシート」の作成に利用出来るよう設定されている。この1年次からの動機付けにより、自己の進路やライフスタイルについて常に考えながら修学し、学習目的の明確化と自己の能力開発を意識させることによる学習意欲の向上が期待出来るだけでなく、前述したコンピテンシー重視の面接対応力の強化と未活動学生数の減少に繋がるものと考えている。

5.2.2 大学院生対象ガイダンスと学部生対象進路セミナー

 大学院生向けのガイダンスや、学部生3年次対象に開講される進路セミナーでも「キャリアデザインの重要性」を伝達する必要があり、22年度は前期の自己点検授業の際のガイダンス実施を含め、年間2回の実施を予定している。学部生対象の激励会(2回/年)も内定率の推移や未活動学生の動向を踏まえつつ実施したいと考えている。

5.2.3 工学基礎・専門基礎学力不足対策

 一部企業や卒業生からは、本学学生の学力低下を指摘されており、本学の最低保証学力にも疑問を抱かせている。基礎ガッチリ型の基礎学力を学生につけさせるため、就職模擬試験などでの、出来なかった問題や過去の出題例の復習、「入社試験内容報告書から収集した問題集」の活用、及び各学科の専門基礎演習、適性検査の習熟などにより、自主的に実力を向上させる必要がある。これらについては、学科毎、研究室毎にきめ細かい演習を通じた復習を是非お願いしたい。

 なお、SPIについては、毎年2月から3月の期間、数理工教育研究センターにより「SPI問題を使用した基礎数理講座」を開催いただき、基礎学力の確認と向上につき支援いただいている。

5.2.4 3年生向けビジネスマナーセミナー

 対人関係、取り分けマナーに関して知識不足で対応が不得手な学生が増加する傾向の対策として、平成22年度もビジネスマナーセミナーで、学生の職業意識の高揚、専門能力の見極め、面接の自主的特訓などを行う予定である。

5.2.5 工学設計Ⅲの研究室単位の進路・就職指導の充実

 企業情報の調査とその内容の分析方法、エントリーシートの作成とその内容の添削、想定質問と回答内容の作成と添削指導、工学設計Ⅲの研究室内の教員や院生による学部生の面接練習の実施など、学生の自主的な練習を促す強力な指導が不可欠である。更に、進路開発室スタッフの協力を得ながら、綿密かつ適切な指導の推進が望まれる。

 特に大学院生には、その質が一層問われる(修士研究の内容の説明)ので、指導教授による学部生とは一味違った、充実した就職教育が望まれる。

5.3 八束穂リサーチキャンパスにおける進路支援体制

 八束穂リサーチキャンパスへ移る工学設計Ⅲの担当教員の増加に伴う学生数の増加にあわせて、八束穂キャンパスにおける進路支援体制の強化を図り、進路資料コーナーの充実と昨年同様に進路開発室スタッフによる定期的な相談・面談を実施する。

5.4 進路関連教員研修会

 平成22年度への対策として、進路担当者研修会を実施したい。

5.5 企業開拓

 厳しい就職環境のもとで、応募可能企業数を確保するためには、戦略的、系統的な情報収集を行う必要がある。

 東京、名古屋、大阪の前線基地に配置される職員により年間を通じて行われている企業訪問と、進路担当教員による企業訪問が互いに相乗効果を生むように、企業報告書システム等を活用した情報の共有を更に進め、訪問先の時期や訪問目的を見直す必要がある。

5.6 新設学部、新設学科対策

 平成16年度の新設学部、新設学科に対応する進路開拓は、恒例の企業訪問と並行して、別枠の企業訪問の実施を計画してきた。また、新設学部、新設学科に対応する資格取得についても自己開発センターと連携しキャリアデザインの中に含めた意識付けを行う。新設学科の進路アドバイザー、及び工学設計Ⅲの指導教員の連携で効果的な進路開拓を実施する。

5.7 保護者宛の情報発信

 保護者宛には昨年度同様、進路関係の定期的な情報伝達を心がける。その中で就職戦線の厳しさ、地元志向の安易な押し付けの弊害や大学院進学の勧めなどについて認識していただく機会としたい。

5.8 インターンシップの強化

 企画調整部と進路開発センターの連携で「KITインターンシップ」を平成17年度から実施し、18年度はこの「KITインターンシップ」を基盤に「産学連携教育プロジェクト」が文部科学省の現代GPの採択を受け20年度「KITインターンシップ」を本格的に実施してきた。

 21年4月には新たな事務組織である“産学連携機構”を構築、建学綱領である産学協同の更なる実践を展開しており、22年2月には「第2回KITパートナーシップフォーラム」で成果報告会を行った。今後は内容を精査し更に強化したい。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://kitnetblog.kitnet.jp/mt/mt-tb.cgi/518

コメントする

カテゴリ

  • カテゴリを追加

ウェブページ

Powered by Movable Type 4.27-ja

このブログ記事について

このページは、kit-generalが2010年6月 2日 17:38に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「平成22年 進路活動方針(4/9)」です。

次のブログ記事は「平成22年 進路活動方針(6/9)」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。