2009年5月アーカイブ

朝日新聞社の大学ランキング2009が発刊され,学長からの評価でKITが教育分野で5年連続日本一位になりました.研究分野では18位,総合で何と2位になりました.

この結果には我々KIT関係者も驚きです.特に,総合2位というのは信じられません.なお,高校からの評価を18位,特許総件数でも12位です.日本には素晴らしい大学が多く,評価の基準にもよるので適切な順位は良く分かりませんが,高く評価して頂けることは一教員としてはやりがいを感じます.

KITのユニークな教育システムの一つとして夢考房が挙げられます.学部1年から思いっきりロボット開発に専念できる環境は,日本はおろか世界的にも希少です.そのようなことが好きな高校生は是非希望してもらいたいですね.

ちなみに,今年のロボカップ世界大会には夢考房ロボカッププロジェクトから中型ロボット班のメンバーが参加しますが,メンバーは全員学部生です.他のチームは大学院生が中心です.恐らく,学部生だけのチームはKITだけだと思います.このような大学が世界に一つぐらいあっても良いでしょう.

出村


ビッグニュースです。

5月25日に福岡県宗像市に(社)「ベーダ国際ロボット開発センター」がオープンし、プレス発表会等が開催されました。

このセンターには金沢工業大学ロボティクス学科から南戸教授が参画し、医療・介護・生活支援分野に役立つロボット技術の開発を行うことになりました。ロボカップの提唱者である北野宏明博士、二足歩行ロボットの世界的権威である高西教授、欧州最大のロボット研究所の所長であるパオロ・ダリオ教授などそうそうたる研究者が名を連ねています。今後の研究展開が楽しみです。

出村

ロボティクス学科は2008年度就職率率100%を達成しました.その内訳は上場企業・公務員が45.5%、非上場大手が35%、その他22%でした。機械系3学科である機械工学科、ロボティクス学科、航空システム工学科の中で上場企業の就職率が最も高い結果となりました。

なお、ロボティクス学科の上場企業・大手企業・公務員への就職率は80.5%であり、大学の平均は68.9%です。ロボティクス学科が就職に強いことがわかります。今年は全国的に就職が厳しい状況なので昨年のようには行きませんが,他学科と比較すると大変良い方です.5月21日付けで内定率約37%です。

さて、その秘密をこれからお話しましょう。日本機械学会Robomecの懇親会で、ある機械系企業の方とお話したところ、「これからの機械は高い付加価値化、高い知能化は必須であり、どうしても高度なプログラミングが必要になる。機械のことがわかってプログラミングもできる学生が欲しい。」と話されていました。

ロボティクス学科では、1,2年次で機械工学をしっかり学び、3,4年次で未来の機械(つまり、ロボット)に必要な電気電子、情報、制御、プログラミング、人工知能などを自分のニーズに応じて学びます。そのため、機械のことがわかってプログラミングもできる学生を送り出すことができるのです。

伝統や流行だけに左右されず、自分の将来像をイメージし、自分のために学科を選択してもらいと考えます。

出村

本:脳の中の身体地図

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bodymap


日本機械学会Robomec2009帰りの電車の中で,ブレイクスリー&ブレイクスリー著,小松訳:脳の中の身体地図―ボディ・マップのおかげで、たいていのことがうまくいくわけ ,インターシフト発行,2310円を読みました.

最近の身体地図に関する神経科学的な知見が分かりやすく書かれており,著者の一人はベストセラーになった「脳の中の幽霊」でラマチャンドラと共著しています.

ボディマップ,ミラーニューロン,場所細胞,グリッド細胞,幻肢,アフォーダンス,パーソナルスペース,メンタルトレーニングなど人間のような知的なロボット開発を目指す人には教養といって良いでしょう.Robomec2009のセッションでも脳科学・神経科学とロボティクスのセッションがありました.脳科学・神経科学の知見は,医学だけではなく工学や経済にも大きな影響を与えています.値段も手ごろなので読まれることをお勧めします.

出村


大学発見ナビ

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このブログが面白いので?

進研アドのオープンキャンパスコーナーでKITが紹介されています.

是非,以下のサイトを覗いてください.「動画でどうだ」といういかにものネーミングですが動画だけに「どうがおねがいします.」

オープンキャンパス2009 春の陣 ~Yes, oh can!~
大学発見 動画でどうだ!

本物のオープンキャンパスが7月19日,20日に予定しています.是非,お越しくださいね.

なお,進研アドに掲載されたのは,夢考房ロボカッププロジェクトのヒューマノイド班があったからです.彼らの頑張りを知っているだけにこのチームを世界大会に送り出したかったな...

出村


ロボカップジャパンオープン2009で夢考房チームが準優勝した中型ロボットリーグの決勝のハイライトビデオをアップしました.水色のマーカーを付けているのが夢考房チーム,紫色はHibikino-Musashiチームです.

Hibikino-Musashiチームは九州工業大学・北九州市立大学・北九州高専・北九州産業学術推進機構FAISとの合同チームで,一昨年世界4位,昨年6位と現在日本で最も強いチームです.試合は残念ながら1対5で敗れましたが,上のビデオは夢考房チームの得点シーンもありますので是非ご覧ください.

夢考房チームは1999年からロボカップに参加していますが,当時と比較して技術が飛躍的に高度化しています.パスプレーは当たり前になりつつあり,そろそろヘディングが実現されるのではないでしょうか.

出村

昨日,夢考房ロボカッププロジェクトのジェネラルミーティングがあり,新1年生10名の紹介がありました.ロボティクス学科6名,電気電子工学科3名,機械工学科1名といった内訳です.その中で,ロボカップジュニアを経験した学生が2名いました.なんと,一人は昨年の世界大会で優勝しています.ロボカップを学部1年から取り組める大学はほとんどないので,金沢工業大学夢考房で思いっきり活動に打ち込んでもらいたいと思います.

さて,ロボカップジャパンオープン2009で取りためていたビデオを編集したので,まずは3位に入賞したヒューマノイドリーグ・キッズサイズ3on3サッカー準決勝のビデオをアップします.準備出来しだい,夢考房チームが準優勝した中型ロボットリーグの決勝ビデオもアップします.乞うご期待!

水色のマーカーをつけてるのが夢考房SiTIKチーム,紫色のマーカーをつけているのが昨年世界大会3位のCIT Brainsです.CIT Brainsは世界大会優勝を狙える実力を持っており,今年のジャパンオープンでは無失点で優勝しました.CIT Brainsは千葉工業大学,東京大学大学院,関西学院大学,ブレインズ,アクセス,はじめ研究所の産学連携合同チームです.2位は波動チームでした.このチームは某一部上場企業の有志が集まってできたチームです.そういった中での3位でしたので,夢考房チームは十分健闘したのではないでしょうか.

CIT Brainsのロボットは運動性能が夢考房チームより勝り,かつ,夢考房チームのロボットは調子が悪く常に3台試合に出場することができず,CIT Brainsの一方的な試合となり5対0で敗れました.ちなみに,波動チームも決勝戦では,CIT Brainsに5対0で敗れています.夢考房チームは昨年と比較してハード,ソフトとも格段に進歩しており,ソフトウェアでいえば各モジュールはある程度の完成度になっています.例えば,自陣のゴールラインから敵陣のゴールラインまで届くキックのモーションはできています.歩行に関しては3次元倒立振子を実装しています.しかし,システム全体の統合が間に合わず結果として思うような動きをロボットにさせることができませんでした.

夢考房チームの学生は非常にやる気になっていますので,これから一ヶ月頑張ればシステム統合化が終わり十分動く状態に持っていけると思います.昨年は諸事情で世界大会への参加は見送っています.個人的には,今年こそは彼らを世界大会へ送り出しチャンスを与えたいと思っています.

出村


Hibikino-musashi VS  WinKIT
中型ロボットリーグ: Hibikino-musashi(左) VS 金沢工業大学夢考房WinKIT(右)
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中型ロボットリーグに参加し大活躍したKIT夢考房ロボカッププロジェクト(中型班)の学生.

humanoid090510.jpg    
 ヒューマノイドリーグに参加したKIT夢考房ロボカッププロジェクト(ヒューマノイド班)の学生. 
                         


京セラドーム大阪で5月8日~10日まで開催されたロボカップジャパンオープン2009が終わりました.ロボカップジャパンオープンも非常に規模が大きくなりドーム球場で開催されるまでになりました.また,開催競技も多く,私も全部掌握できません.その中でKITはロボカップサッカー中型ロボットリーグ,ヒューマノイドリーグ・キッズサイズとティーンサイズに3チームを派遣させました.その結果,次の好成績を収めることができました.

  • 中型ロボットリーグ :WinKITチーム準優勝
  • ヒューマノイドリーグ:SiTIKチーム3位  (3on3サッカー)

中型ロボットリーグに出場したWinKITチームは,尻上がりに調子を上げていただけに優勝の期待もありましたが,安定性の勝るHibikino-Musashiチームに今一歩力が及びませんでした.WinKITチームは問題点を改善すると,世界大会でも十分上位を狙えると考えます.Hibikino-Musashiチームは九州工業大学・北九州市立大学・北九州高専・北九州産業学術推進機構FAISとの合同チームで,一昨年世界4位,昨年6位と現在日本で最も強いチームです.大学院生が中心となって取り組んでいます.一方,夢考房WinKITチームは全員が学部生です.学部生でも十分世界の強豪と戦えます.まさに夢考房マジック.これは夢考房の優れた教育システムの成果であると考えます.

また,ヒューマノイドリーグ・キッズに出場したSiTIkチームも昨日と比較すると調子を上げ歩行もかなり安定化し,シュート動作,起き上がりなど一連の動作も披露しましたが,CIT Brainsには5対0で破れました.3位決定戦では大阪大学のJEAPチームと対戦しましたが,お互い良いところがなくスコアレスドロー,コイントスの結果によりSiTIKチームが3位に入賞しました.運も実力といったところですか.

SiTIKチームのロボットは個々の動作はかなりのレベルに到達しつつありますが,全体をシステムとしてまとめるところまで完成度を上げることができませんでした.まさに,ロボットの面白いところは個々の要素をシステムとしてまとめるところです.SiTIKのチームメンバーはやるべきことがはっきりわかったので,今年のジャパンオープンに参加した意義は大きかったと考えます.

SiTIKチームがロボカップ世界大会に派遣されるか否かは大学の判断なので私には良く分かりませんが,彼らにもう一度チャンスを与えると更に大きく成長すると思います.夢考房プロジェクトの目的は大学の宣伝や試合に勝つことではないのですから.

出村

金沢工業大学3チーム中最も好調なWinKITチーム(右側水色のロボット).


komoriya090509.jpg順調に調整を進めるWinKITチームのリーダー小森谷君(中央)



 
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抽選会に臨むSiTIKチームのリーダー細川君(左から2番目)



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心配そうにロボットを見つめるStepKITチームのリーダー串原君(一番右)


ロボカップジャパンオープン2009 の二日目です.

中型ロボットリーグに出場している金沢工業大学夢考房WinKITチームは予選リーグをリーダー小森谷君の優れたリーダーシップにより2位で通過し,最終日の決勝トーナメントに進出します.WinKITチームは尻上がりに調子を上げ,KOOGEI-RVチームに9対0,The Nishikeyチームに6対0で勝ちました.順当にいけば決勝で昨年の優勝チームHibikino-Musashiと激突します.今の夢考房WinKITチームは十分優勝を狙える力を持っています.

一方,ヒューマノイドリーグのキッズサイズに出場している金沢工業大学夢考房SiTIKチームは予選リーグをリーダー細川君のこれまた優れたリーダーシップにより2位通過し,決勝トーナメントに進出します.準決勝では昨年の世界大会3位CIT Brainsに挑みます.正直言ってSiTIKチームは誕生してから2年と若いチームなので実力的には古豪のCIT Brainsに劣ります.今大会無失点のCIT Brainsから得点することが目標です.今の夢考房SiTIKチームは3位を狙える力は十分に持っています.

なお,ヒューマノイドリーグのティーンサイズに出場している夢考房StepKITチームは,参加チームが4チームと少ないため予選はなく,明日が本戦となります.

リーダー3人の活躍に期待しましょう.

出村










Hibikino-musashi VS  WinKIT
中型ロボットリーグ: Hibikino-musashi(左) VS WinKIT(右)


今日はロボカップジャパンオープン2009の初日です.グッドニュースとして,中型ロボットリーグに参加しているKITのWinKITチームが暫定2位です.さすがに,日本最強のHibikino-Musashiには惜敗しましたが,それ以外のチームには2対0で勝っています.明日が楽しみですね.

  • 中型ロボットリーグ
ロボカップ中型ロボットリーグ1日目の結果
ロボカップ中型ロボットリーグ1日目の結果

現在,日本で最も強いと考えられるHibikino MusashiとWinKITチームとの試合が第1試合でした.惜しくも0対2で敗れましたが,第2試合は大阪大学と福井大学連合チームSolomons&Trackesに2対0で勝利,第3試合は大同大学DU-RCに2対0で勝利し,1日終了時点で暫定2位となかなかの結果です.明日が楽しみです.

  • ヒューマノイドリーグ テクニカルチャレンジ


テクニカルチャレンジに臨むStepKITチーム.チームリーダ串原君の視線が心配そう
テクニカルチャレンジに臨むStepKITチーム.チームリーダ串原君の視線が心配そう


テクニカルチャレンジに臨むSiTIKチーム
テクニカルチャレンジに臨むSiTIKチーム

ティーンに参戦したStepKIT,キッズに参戦したSiTIKチームとも不具合が多発し,記録を残すことができませんでした.その後,不具合箇所の解決に努めています.概ね解決できたので明日に期待しましょう.


出村


京セラドーム ロボカップ会場設営
               京セラドーム ロボカップ会場設営中

KIT夢考房 SiTIKチーム
夢考房 Sitik チーム  身長60cm  体重5kg

夢考房 Step KITチーム
 Yumekobo  Step KIT 身長140cm 体重40kg

sitikMember.jpg

いよいよRoboCupジャパンオープン2009が明日から5月10日(日)まで京セラドーム大阪で開催されます.KIT夢考房ロボカッププロジェクトチームは13時過ぎに京セラドーム入りし,最終調整を行いました.

中型ロボットリーグは明日から予選のリーグ戦,ヒューマノイドリーグ(ティーンサイズ,キッズサイズ)はテクニカルチャレンジが行われます.上の写真にあるようにKITの学生は本気モードになっています.


出村


 

ロボカップジャパンオープン2009が連休明けの5月8日(金)~10日(日)まで京セラドーム大阪で開催されます.開催まであと2日となりました.上のビデオは夢考房WinKITチームのロボットがシュート練習をしている様子です.WinKITチームの特徴は強力なキック力です.ループシュートとゴロシュートを蹴り分けることができます.KIT夢考房チームは明日の午前中に出発し,午後から京セラドームで調整します.

なお,福岡ドームでロボカップが開催されたことありますが,京セラドーム大阪での開催は今回が初となります.ロボカップも本当に規模が大きくなったものです.

出村


  • ロボカップジャパンオープン 中型ロボットリーグ
  • ロボカップジャパンオープン  ヒューマノイドリーグ



  • ジャパンオープンへ向け準備をするKITのWinKIT(中型ロボットリーグ)とSiTIK(ヒューマノイドチーム
    ジャパンオープンへ向け準備をするKITのWinKIT(中型ロボットリーグ)とSiTIK(ヒューマノイドリーグ)チーム

    RoboCupジャパンオープン2009が連休明けの5月8日(金)~10日(日)まで京セラドーム大阪で開催されます.中型ロボットリーグへ参加するWinKITチームとヒューマノイドリーグ・キッズサイズに参加するSiTIKチームがその準備をしています.両チームとも夢考房ロボカッププロジェクトに所属し,中心メンバーがロボティクス学科の学生と出身の院生です.

    最近2年間は世界大会への出場を逃しており,世界大会への参加がジャパンオープンの成績で決まるので学生も真剣そのものです.

    出村

    ジャーナリスト小泉成史さんが,KIT教員のインタビュー記事を以下のブログで公開しています.

    ロボティクス学科では鈴木准教授と私が紹介されています.

    どちらもとてもわかりやすい記事だと思います.ただ,私の場合,写真映りも悪いのが難点ですね(笑い).

    出村

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