2009年3月アーカイブ

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ロボティクス学科3年生の北本、中嶋、二見、各務、笹川、宮島君達が製作した
ロボットSORR-Yが、3月28日に東京お台場で開かれたロボットグランプリ大道芸ロボット競技会の
コンピュータ制御部門で優勝しました。
北は富山から南は香川まで全国各地から15台のロボットが集まる中、
金沢工大からは2チーム出場し、どちらのチームのロボットも素晴らしいパフォーマンスを見せ、
高い評価を受けていました。

大道芸ロボットコンテストは、ロボットを使って、いかに観客にアピールするかが大事で、
ロボット自体を完成させて確実に動かす技術+エンターテインメントのセンスが必要とされます。
金沢工大のもの作りの環境、彼らの頑張りが実を結んだ結果だと思います。
他大学のロボットなどを見る機会もあり、学生たちには良い刺激になったようです。

※演技や表彰の様子は、改めて報告させていただきます.

土居

工学部に通うのに経済なんて関係ないと思っていませんか?
そんなことはありません。日常生活でジュースを買うのも経済活動なのですから。

さて「出社が楽しい経済学」という本を最近書店で見かけます。NHK の教育テレビの番組を基にした本です。番組を見た方もいるかもしれませんね。

サンクコスト、機会費用、比較優位、インセンティブ、モラルハザード、逆選択、価格差別、裁定、囚人のジレンマ、共有地の悲劇、割引現在価値、ネットワーク外部性

この12個のキーワードが解説されています。とても分かりやすく、日常生活と経済の関係が書かれているので、一度立ち読みしてみて欲しいなと思います。そして、毎日の生活と経済の関係も気にしてみてください。もちろん工学もですよ。

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(光永)


つくばチャレンジ2007 左から小林君,岩崎君.


ロボティクス学科小林・鈴木研をこの3月卒業した岩崎健吾君が
石川テレビの「物語の始まりへ」という180秒のヒューマンドキュメント番組に出演し
ます.3月26日(木)午後11時18分からの放送となります。

岩崎君らの夢考房自律走行車プロジェクトチームは昨年の「つくばチャレンジ2007
に出場して見事完走,今年はもう少しのことろでしたが涙を呑みました.


さて,この番組は毎週KITで活躍する学生を取り上げているものです.詳しくは石川テレ
ビの次のページをご覧ください.ロボティクス学科の学生は国内外で活躍しているの
で取り上げられるチャンスが多いです.

                                                                                                                               出村
次の文章はKIT企画部が作成した案内メールです.ご参考までに!

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KITロボティクス学科で学んだ岩崎 健吾さん。彼は、
2006年に夢考房自律走行車プロジェクトを仲間とともに
立ち上げました。自律走行車とは、カメラやセンサーなどか
ら得られる画像や位置情報をもとに障害物などを見分け、そ
れらを避けながら目的地をめざす自動車です。まさにゼロか
らのスタートでしたが、研究成果の確認として、ロボットが
自分で考え1kmの公道を走行する屋外実験「つくばチャレ
ンジ」に2年連続で出場するなど積極的に活動してきました。
メンバーたちが次なるステップとして取り組んでいるのは、
これまで蓄積した技術を活かし、市販車に搭載可能な自律走
行システムの開発です。思いを後輩たちに託し、社会人とし
ての一歩を踏み出す岩崎さん。
3月26日の放送は、夢考房自律走行車プロジェクトがめざ
すロボット開発について、岩崎さんのKITでの活動とイン
タビューでご紹介します。
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KITでは卒業式の後、卒業記念パーティが開催されます。普通の大学では謝恩会を学生が開いてくれて我々教員は招待を受けるわけですが、KITでは何と太っ腹なことに大学が主催し学生を招待します。

上の写真はその様子です。良く見ると間違いが一箇所あります。脳トレだと思って見つけてください。

出村



KIT平成20年度卒業式

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ロボティクス学科卒業生の皆様、ご卒業おめでとうございます。

ここ金沢も、梅が開花し、すっかり春らしくなりました。

平成20年度の卒業式が3月19日に挙行されました。学部卒業生総数は1552名、そのうち、ロボティクス学科は102名でした。

卒業式での学長式辞は格調が高く式が引き締まり、理事長告辞は心に響くものでした。

卒業式の後は、学科毎に分かれ学位記授与式が行われました。学位記授与式では、卒業式とうって変わりフレンドリーな雰囲気で和やかに進行し、ロボティクス学科卒業生代表市川君の答辞は今までになくユニークなものとなり笑いが絶えませんでした。

卒業生皆様のこれからのご活躍をお祈りします。
出村

諭吉の科学書

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 お初どの、

お元気ですか。メールしたいところですが今は江戸時代、ケータイがありませんので独り言を聞いてください。

おにぎりに私の大好物である塩鮭、昆布の佃煮を添えていただき、とても美味しいお昼を楽しむことができました。食べながら、お初どののことを思いだしまし た。お向かいの板橋屋さんのお嬢さんは、相変わらず意地悪をされますか。性格の悪い人は困ったものですね。あまり気にされませんよう。

浦賀で黒船の見取図を作り、金沢八景まで戻りましたが、日暮れになってしまいましたのでここで一泊し、明日数寄屋橋御門の南町奉行所へ戻ることにしまし た。わずかな日当では立派な宿には泊まれませんが、それでもお風呂につかって、身体を伸ばして眠れると疲れがとれます。有り難いことです。

ところでお初どのは金沢八景ってどことどこかご存じですか。金沢八景は、元禄七年武州金沢の地に立ち寄った中国僧、心越禅師(しんえつぜんし)が、能見堂 からの風景が故郷中国の瀟湘(しょうしょう)八景にそっくりであると絶賛したことから金沢八景と名付けられたものです。 瀟湘とは、中国湖南省(こなん しょう)の瀟江(しょうこう)と湘江(しょうこう)と呼ばれる川が合流して洞庭湖に注ぐあたりのことです。

金沢八景とは、1 洲崎の晴嵐(すさきのせいらん)、2 瀬戸の秋月(せとのしゅうげつ)、3 小泉の夜雨(こずみのやう)、4 乙舳の帰帆(おっともの きはん)、5 平潟の落雁(ひらかたのらくがん)、6 野島の夕照(のじまのせきしょう)、7 内川の暮雪(うちかわのぼせつ)、8 称名の晩鐘(しょう みょうのばんしょう)の八つです。「東海道五十三次」で有名な歌川広重(寛政九年(1797)~安政五年(1858)、安藤広重ともいう)は、「武州金沢 八景」という版画を残しています。気に入ってもらえそうなのでお初どのへのお土産に買いました。一枚だけこっそりお見せしましょう。

一緒に黒船を見た不思議なお人のことは先の手紙でお知らせしましたね。あまりに唐突に話しかけられたので、うっかりして名を名乗らずに別れてしまいまし た。最初はずいぶんあけすけに、大胆なことを話す人だとびっくりしましたが、半日あまり一緒にいるうちに、このお人はとてつもなく大きな器の人で、もしか すると日本を大きく変える力を持っておられるのではないかと思うようになりました。あれだけ重大な話を、あっけらかんと見ず知らずの私にお話になり、しか もわずか半日のお付き合いでも人の心をとらえて離さない魅力を持っておられる方には、今までお目にかかったことがありません。けっして立派ではなく、蓬髪 でむしろみすぼらしい身形のお方でしたが、明るくて屈託がなく、内側から滲みでる人間としての輝きを感じさせる素晴らしいお方でした。

江戸へ戻ったら、私もあのお方がしきりに言われていた「日本の洗濯」を考えてみようと思います。まずは奉行所の中で何ができるのか。この国難のときに、奉 行所の組織をどう変えてゆけばよいのか、私なりに考えてみるつもりです。お初どのもときには相談に乗っていただけませんか。そのためにも、あのお方にもう 一度お目にかかって、もっとお話をお聞きしたいものです。お初どのにもお引き合わせしたいと考えております。

私が学んできた窮理という学問は、今回の黒船調査というお役にやっと役に立つことになりましたが、考えてみれば学問などというものは、お初どのが身につけ られたお料理の技や、お店の切り盛りの腕に比べたら、もともとそれほど世の中の役に立つとは思われません。しかし、私がむかし塾で学問を学んでいたときに は、何かの役に立たせようとか、さらには学問することによって偉くなろうとかお金を稼ごうとか、立派な家に住んで美味しい物が食べられるようになろうと か、そんなことは考えませんでした。今、私はそれで良かったと考えています。目先のものにとらわれないで、じっくりと学問をすることは、とても大切なこと だと思います。 私が塾で同門だった福沢という男が、こんなことを書いています。 兎に角に当時緒方の書生は、十中の七、八、目的なしに苦学した者であるが、その目的のなかったのが却って仕合で、江戸の書生よりも能く勉強ができたのであ ろう。ソレカラ考えてみると、今日の書生にしても余り学問を勉強すると同時に始終我身の行く先ばかり考えているようでは、修行は出来なかろうと思う。  

福沢は塾を終えてから名をなして、「訓蒙 窮理図解」という日本で初めての物理学の解説書を書きました。彼は阿蘭陀語も英語も堪能でしたから、この本は 幕末期の外国の物理学書を読みこなして、それを一般向けにわかりやすく説き起こしたもので、とても立派な本です。私が学問所で学んだ「あめつちまことのこ とわり」をはるかに越えたレベルの内容となっています。福沢の著書では、「学問のすゝめ」、「文明論之概略」、「福翁自伝」などがよく知られていますが、 残念なことにこの「訓蒙 窮理図解」は、その後ほとんど読まれていません。お初どのも機会があったら是非手にとって読んでみてください。きっと気に入って いただけると思います。  

我が国は勉学の早い段階で、「文化系」と「理科系」に学生を分類してしまうという暴挙を行っている珍しい国です。これによって、政治家や事務官僚は物理 や数学がわからないことをむしろ誇りとし、一方、科学技術者は文学や歴史に暗いことを自慢する傾向があります。私はこれではいけないと思います。 政治的な判断を下すときには定量的なデータを読みとる力が必要ですし、技術戦略を立てるときには歴史観や政治観、ときには宗教観も必要です。文化系と理科 系の学問は、正しい判断をするためにどちらも欠くことのできないものであり、このふるい分けは早急に廃止すべきであると私は考えています。科学技術は結局 のところ道具ですから、正しく使いこなすには文化系の学問で培われた立派な人格が肝要と思います。  

あ、もうこんな時間になってしまいました。お初どのはお店の片づけもすんで、湯屋に行かれるころだと思います。とんだ長話をしてしまいましたことをお許 しください。明日は奉行所に出仕した後で、また美味しい晩ご飯をいただきに寄らせてもらいます。  

では、お休みなさい。

右京之介

  • 桜井邦朋:福沢諭吉の「科学のススメ」、日本で最初の科学入門書「訓蒙 窮理図解」を読む、祥伝社
  • 福沢諭吉:福翁自伝、岩波文庫、岩波書店
2009年3月12日読売新聞朝刊30面でロボティクス学科出村研究室と夢考房ロボカッププロジェクトが共同研究しているロボットが紹介されました。

出村
4月から,ロボティクス学科で研究室を受け持たせていただく土居です.
よろしくお願いします.

さて,本学では3年生向けの授業として「コアゼミ」というものがあります.
これは,4年次の研究活動に入るための準備を行うものですが,
私の研究室では,「ロボットグランプリ・大道芸ロボットコンテスト」
に出場するロボット製作に取り組みました.
アイデア出しから,設計,製作,プログラミングまですべて学生が自主的に行いました.
他の授業や就活で忙しい中,実質作業時間は2ヶ月程度でしたが,
みんな非常に良くやってくれたと思います.

3月28日に東京,お台場の日本科学未来館にて競技に参加しますので,
お近くの方は,ぜひ来てみてください.入場無料です.

大道芸ロボットコンテストは,日本機械学会主催「ロボットグランプリ」の競技の一つで,
ロボットを使って観客を楽しませ,観客投票で評価が決まります.
ほかにも,ライントレーサー+標的を突くポイントで競う「ロボットランサー」競技や,
ピンポン玉を集めて得点を競う「ロボットスカベンジャー」競技があり,
全国の大学や高専などから参加者が集まり,交流できる大会となっています.

ロボットグランプリホームページ
http://www.RobotGrandPrix.com

大会の結果は,また改めて報告させていただきます.

土居

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つくばシミュレータ赤い領域はレーザ式測域センサTop-URGからのデータを表示。水平240度の範囲内を距離精度30mm、距離分解能1mm、角度分解能0.25度で計測可能。このセンサを垂直方向に振ることにより3次元の距離データがリアルタイムで計測可能となる。また、USBインタフェースなので手軽にパソコンと接続可能。        

3月7日に北陽電機のレーザ式測域センサに関する講演会がKITで開催されました。

レーザ式測域センサはレーザ光線を使い距離を測定するもので、近年その利用が急速に拡大している現在最も注目度の高いセンサです。DARPA(米国国防高等研究計画局)のGrand Challenge, Urban Challengeつくばチャレンジでその有用性が認識され、ロボットに限らず多くの分野で利用が広まっています。特に、北陽電機が開発したTop-URG(UTM30-LX)は重量がわずか370gであり、検出距離が30m、距離分解能1mm、距離精度30mm、240度の範囲を25msで計測可能な非常に高性能なセンサです。

講演会ではレーザ式センサ開発の背景,動作原理,特徴並びに産業界での導入例などが説明されました。

また、KITと北陽電機は連携し、レーザ式センサの新しい応用アイディアを創出するために「レーザ式センサ応用アイディアコンテスト」を開催します。4月から5月にかけて市場調査を行い、アイディアを考案します。5月にコンテストを実施し、優れたプレゼンテーションは北陽電機でのインターンシップを行いアイディアを具現化します。あるいは、夢考房での短期プロジェクトまたは既存プロジェクトの活動としても展開可能です。

ロボティクス学科の学生さんの応募をお待ちしています。

出村


昨日、研究室の打ち上げを片町の某中華料理店で行いました。そこで、ある卒研生からの「夢考房ロボカッププロジェクトがあったからKITに入学しました。プロジェクトを立ち上げてくれてありがとうございます。」という言葉を聞きウルウルしてしまいました。

さて、夢考房ロボカッププロジェクトではヒューマノイドリーグと中型ロボットリーグに取り組んでいます。
昨日、ロボカップ中型ロボットリーグの技術委員会(Technical Commitee)から世界大会の審査合格という喜ばしい便りがありました。ヒューマノイドリーグキッズサイズは既に世界大会の切符を手に入れているので、これでKITからSItiK(サイティク)チームとWinKIT(ウインキット)チームの2チームが世界大会への出場権を獲得することができました。

なお、上のビデオはWinKITチームの世界大会資格審査に提出したものです。


出村

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