2009年1月アーカイブ



講義で使用するシミュレータ。講義を受講するとこのようなシミュレータを作成できるようになります。矢印をクリックして仮想体験しましょう!(http://demura.netから許可を得て転載)

KITでは池の平セミナーのようなユニークな講義があります。ロボティクス学科では私が担当している講義で物理シミュレータを使い仮想空間上でロボットのプログラミングを学びます。ロボットに限らずこれからの機械は高い付加価値、つまり知能化が要求されるのです。

企業の就職担当者や高校生並びにその父兄の方とお話すると、ロボティクス学科はロボットという狭い分野と思われているようですが、そうではなくこれからの機械、つまり日本が中国や韓国などのアジア諸国や西欧諸国との競争に打ち勝つには制御、人工知能、画像処理、プログラミングが必要です。ロボティクス学科では機械工学の基礎をしっかり学び、それにプラスしてこれからの機械工学に必要なそれらの科目を勉強します。言葉を変えれば未来機械工学科といっても良いでしょう。

話は元に戻りますが、ロボットプログラミングを学ぶために執筆した「ロボットシミュレーション-Open Dynamics Engineによるロボットプログラミング- 森北出版」の韓国語版が、韓国の出版社 HongReung Science Publishing Companyから発刊されることになりました(現在は森北出版と韓国の出版社が翻訳に関する契約を終えた段階で、これから翻訳されるので発刊時期はまだ未定です。実は、英語版、フランス語版などの話もありますが、まだ決まっていませんので何も言えません)。

KITは韓国のソウル産業大学などと提携を結び、私はすっかり韓流ドラマ(今はファン・ジニ)にはまっているのでこの知らせはとてもうれしい限りです。

出村
member090114s.jpg
              出村研究室集合写真 (池の平温泉スキー場にて)

滑った経路
   活動記録。集合写真は水色の経路のうち一番標高が高い地点 (標高1102m)で撮影。

KITには色々ユニークな授業があります。その一つが池の平研修です。KITは妙高高原池の平にセミナーハウスを持っており、工学設計Ⅲ(卒業研究相当)の研究室単位で自由に利用可能です。

私の研究室では毎年冬に行き、スキーやスノーボードを妙高高原池の平温泉スキー場にて研究室の学生と楽しむことにしています。2009年1月14日から16日まで研修です。

研修の目的は学力というより人間力の向上です。研究室のゼミだけでは学生の持っているパーソナリティを知ることがなかなかできませんが、池の平研修で学生と教員が寝食並びにスキーやスノボーで供に筋肉痛することにより相互理解が深まるのではないでしょうか。

さて、上の地図にある水色の線は今日の活動軌跡です。このデータはハンディGPS受信機で取ったログをGoogle map上にプロットしたものです。この受信機は精度が良いときは誤差3m未満です。私は学生の頃、このスキー場で研修をしたことがあります。上図のように自分の位置の軌跡を高い精度で記録できるなど夢にも思いませんでした。科学技術の進歩は本当に速いですね。

GPSなどの衛星を使った測位システムは今後10年で劇的に変わるものと考えられます.GPSの近代化計画,ロシアのグローナス(Glonass),ヨーロッパのガリレオ,日本の準天頂衛星,更に中国でも同様な計画があります.10年後にまた池の平温泉スキー場で活動軌跡を取ったら,スノーボードのターンの軌跡もわかるようになっているでしょう.



出村

新年明けましておめでとうございます.

今年もKITロボティクス学科のブログをよろしくお願いします.

asahi.comでKITに関する面白い記事を見つけましたので紹介します.近年○○力という言葉がはやりました.学長力という言葉があるのかわかりませんが,ズバリ次のタイトルとなっています.

上の記事で石川学長がKITのオリジナリティをいくつか述べています.私が一番オンリーワンだと考えていることは夢考房プロジェクトです.14もの技術系クラブを大学が強力にサポートし,それらをシステム的に運営しているのが夢考房プロジェクトです.

夢考房プロジェクトの中にはロボット関連のプロジェクトが多くあります.ロボットロボカップ福祉機器開発メカニカルサポート自律走行車など約3分の1がロボット関連です.

2009年はロボカップジャパンオープンが5月8日から10日に大阪京セラドーム,ロボカップ世界大会が6月29日から7月5日にオーストリアで開催されます.昨年,ロボカッププロジェクトは世界大会へ参加しなかったので今年にかける学生達の意気込みは大きいです.

また,ロボットプロジェクトが参加予定(書類審査結果待ち)のNHK大学ロボコンは6月7日に東京の国立オリンピック記念青少年総合センターで開催されます.そこで優勝すると8月22日に日本で開催されるABUロボコンに出場します.昨年は書類審査不合格でしたが,夏にNHK大学ロボコン2008のルールに準じて豊橋技科大,東大との3チームで開催した「三大学対抗ロボット競技交流会」では優勝していますので,2009年は期待が持てます.

さらに,つくばチャレンジに参加している自律走行車プロジェクトは,昨年完走できなかったのでその悔しさをバネに技術的にもよりしっかりした自律走行車を作りあげてくるでしょう.なお,今年の大会概要は今週末東京で開催されるつくばチャレンジ開催記念シンポジウムで発表される予定となっています.

というわけで,今年も夢考房プロジェクトに所属している学生達の活躍を期待しましょう.このようなことに興味のある学生は是非KITロボティクス学科を志願してください.約7割が県外出身の全国区の大学です.1月5日から1月16日まで願書受付中であり,全国22箇所の試験会場で受験可能となっています.

出村



トピックス

  • 最新の記事へ